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地中海に浮かぶギリシャのヒオス島にのみ自生するマスティハというコショウボクがあります。その幹を傷つけると、無色透明なエキスが滴ってきます。このハーブエキスを「マスティック」と古代ギリシャの人々は呼び、神秘的な効能から5,000年前から健康維持に役立てられたと云われています。当時の神話には「アルテミスの若い女性たちは、コショウボク(マスティック)の枝を身に付け、純潔と若さの象徴を示した」という記述があります。
マスティックはキリスト例祭に焚かれる神聖なお香(乳香)として利用され、無色透明な粘土性のある液体から、時間と共に金色の固体に変化することから、キリストの涙と例えられ、黄金と同等の価値があったといいます。
1994年にNEWENGLANDOFJOURNALOFMEDHISINEにて胃がんの原因となるピロリ菌を殺菌するという発表によって、マスティックが世界中に注目されるきっかけとなったのです。現代では様々な細菌や真菌に対する活性を抑えることが研究によって明らかになり、世界25ヶ国では薬の成分として幅広く利用されています。
マステイック濃度 | ピロリ菌の発育 |
---|---|
60ppm | 完全に防止 |
7.5〜60ppm | 明らかに抑制 |
【出典】 : Huwez.EU.Well.D.T..Cockayne.A.Ala'Alldeen.D.A.A;
“Mastic Gum Kills Helicobactor pylon”.New Eng.J.Med..339.1946.Dec.24.1998.
抗ピロリ菌作用があるといわれる プロポリス、甘草エキス、茶カテキン、乳酸菌製剤と比べても、マステイックは断然強力な抗ピロリ菌作用を示す。
抗ピロリ菌作用を有すると言われるプロポリス、甘草エキス、煎茶抽出物、茶カテキンを含有する国産の製剤、フランス産乳酸菌製剤とマステイックのピロリ菌発育防止作用を比較した結果、マステイックが、プロポリス、甘草エキス、煎茶抽出物、茶カテキン製剤及び乳酸菌製剤のどれよりもはるかに強力な抗ピロリ菌作用を有することが確認された。
胃がん | 胃潰瘍 | 十二指腸潰瘍 | 標準株ピロリ菌 | マステイック | 41ppm | 31ppm | 37ppm | 62ppm |
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プロポリス | 293ppm | 390ppm | --- | 390ppm |
甘草エキス | 195ppm | 390ppm | --- | 390ppm |
煎茶抽出物 | 5000ppm | 5000ppm | 5000ppm | 5000ppm |
国産茶カテキン含有製剤 | 625ppm | 625ppm | 625ppm | 625ppm |
フランス産乳酸菌製剤 | 625ppm | 625ppm | 625ppm | 625ppm |
【測定場所】 : 静岡県立大学食品栄養科学部微生物学教室
マステイックは難治性胃潰瘍患者にも優れた抗潰瘍作用を発揮した
20年以上の長い病歴を有する難治性胃潰瘍患者にマステイックを投与し胃潰瘍治癒効果を検討した結果、平均でわずか7日目にはすべての患者の自覚症状が消え、内視鏡検査でも4週間後には80%の効率で胃潰瘍の治癒が確認された。
被験患者 | マステイック投与量 | 自覚症状の消失 | 内視鏡による潰瘍治癒 | ||
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所要時間 | 症状消失率 | 所要時間 | 治癒率 | ||
病歴20年以上 の胃潰瘍患者 |
1g×2/日 | 投与7日 | 100% | 投与4週間 | 80% |
【出典】 : Huweb.F.U.and Al-Habbal.M.J.;“Mastic Treatment of Benign Gastric Ulccrs.”.Gatroenterol.Japonica.21.273-4,1986.